
最初に聴いたとき、「かわいい、ポップだな」って思った。
でも歌詞を読むと、全然そうじゃない。甘いのに苦い。軽いのに重い。
星街すいせいの「Caramel Pain」は、表向きの華やかさの裏で、自分を大切にできない痛みを抱えたまま前に進む曲だと思う。
この記事では、一人のリスナーとして歌詞の意味を整理します。
※歌詞の全文は配信サービス等でご確認ください(本記事は長文引用しません)。
基本情報
| 区分 | 項目 | 内容 |
|---|---|---|
| 楽曲 | タイトル | Caramel Pain(キャラメルペイン) |
| 楽曲 | アーティスト | 星街すいせい |
| 楽曲 | リリース | 2025年1月22日(3rdアルバム『新星目録』と同日) |
| 楽曲 | 収録 | 3rdアルバム『新星目録』(トラック5) |
| 楽曲 | 作詞・作曲 | Deu(PEOPLE 1) |
| 楽曲 | 編曲 | Deu・Hajime Taguchi |
| 楽曲 | 時間(参考) | 約3分1秒(公式MV表記ベース) |
| MV | 公開 | 2025年3月22日(YouTube) |
| MV | 監督 | 擬態するメタ(しまぐちニケ、Bivi) |
| ライブ | 披露例 | Hoshimachi Suisei 日本武道館 Live "SuperNova"(2025年2月1日) |
| コンセプト | アルバム | 『新星目録』は「それぞれの革命」をテーマ(公式発表・Billboard JAPANインタビュー) |
公式リンク
- Caramel Pain / 星街すいせい(official)|YouTube
- 新星目録|hololive公式
- <インタビュー>目指すは新時代――星街すいせいが高らかに歌う“革命”の音楽|Billboard JAPAN
- Hoshimachi Suisei 日本武道館 Live "SuperNova"|hololive公式
「Caramel Pain」って、どんなタイトル?
英語の Caramel(キャラメル)と Pain(痛み)を並べたタイトルです。
キャラメルは甘い。でも焼き色がつくと苦くなる。
制作背景(アルバムの中での位置づけ)
『新星目録』は「それぞれの革命」
3rdアルバム『新星目録』は、公式発表どおり 「それぞれの革命」 をテーマにした作品です。
Billboard JAPANのインタビューでは、すいちゃん自身が「バーチャルのアーティストを、ちゃんと自分で歌って踊っている人間として見てもらう」ことが、自分にとっての革命だ、と語っています。
その中で「Caramel Pain」は、外に向けた宣言というより、変わるときの内側の痛みを描いた曲に感じます。
Deuさんとの制作
同インタビューによると、レコーディングではDeuさんがディレクションに入り、セクションごとに歌声の出し方を変えたそうです。
「トガヒミコみたいに歌ってください」と言われた、というエピソードも。
すいちゃん側も、打ち合わせは短く、「自由にやれたほうが作れるかも」という流れで曲ができ、出来上がったものが私っぽいと感じた、と語っています。
歌詞でも「極彩色で甘ったるくて苦い」と歌われていて、
見た目の華やかさと、内側のしんどさが同居しているイメージに重なります。
「あーあ今日もキャラメルペインです」という繰り返しは、特別な事件というより、
毎日起きる慢性的な痛みのように聞こえる。これがこの曲の入口だと思う。
歌詞の意味を、流れで読む
ここからは私の受け取り方です。
歌詞を全部は載せないので、引っかかった言葉のまわりだけ、思ったままに書いていきます。
1. 序盤──勇気が足りないから、自分を大切にできない
ねえあたしいつも勇気が足りないから自分を大切にできないんだ
冒頭でいきなり弱さを言い切る。
「痛い目をみないと気付けやしない」という言葉も、自己肯定が遅れるタイプの人には刺さる。
華やかな世界の裏で、自分を後回しにしてしまう感覚。VTuber/アーティストの話に限らず、普通にしんどい。
2. 世界は甘くて苦い──極彩色の比喩
世界はこんなにも極彩色で甘ったるくて苦いし
SNSもエンタメも、きれいな色で溢れている。
でもその甘さの奥に、比較や疲れ、自己嫌悪がある——そんな「甘ったるい苦さ」を、極彩色という言葉でまとめている印象です。
3. サビの「置いてくよ」──イデオロギーとスタイルを手放す
置いてくよ置いてくよ置いてくよ
今まで手にしたイデオロギーもスタイルも壊れちゃっても今がいいよ
この曲の核は、ここだと思う。
「置いていく」のは人じゃなくて、これまでの自分の型です。
正しさ、見栄、キャラ、役割——壊れてもいいから、今の自分でいたい。
アルバムの「革命」と並べると、外側を変える前に、内側の古い自分を捨てる痛みを歌っているように読めます。
4. 「ミルフィーユ」──層で隠した本音
ミルフィーユみたいにはぐらかしたっていつかバレちゃうよ腐っちゃうよ
ミルフィーユは、薄い層が重なったお菓子。
キレイに見せた分だけ、中身は複雑で、いつか崩れる——そんな怖さ。
「痛いとか素直に君に言えてれば」と続くので、言えなかった言葉の代償もテーマに入っています。
5. ブリッジ──大切なことは一つだけ
もう後悔しないように前を向いて生きるということ!
ここは一気に明るくなる。でも安っぽいポジティブではない。
その前に「好きなアニメもなくなっちゃうし/好きな人だっていなくなっちゃう」と、失うものも並べている。
変わることの代償を知ったうえで、それでも前を向く——その覚悟の宣言です。
6. ラスト──「自分に恋してたい」
2番目のサビでは「壊れちゃっても」が「汚れちゃっても」に変わり、
だってあたしはあたしに恋してたいんだもん
へと着地する。
他人に愛されたい話だけじゃなく、自分を好きでいる許可を求めている。
「さよならなんて涙が出ちゃうけど」と並ぶので、別れ(古い自分との別れ)の痛みも残ったまま、自己肯定へ向かう曲だと感じます。
7. 「フロムマイベッド」──ベッドからの出発
フロムマイベッド この胸の痛みだけ抱いて
英語の From My Bed(ベッドから)というフレーズで締める。
立派な舞台の前じゃなくて、動けない朝・眠れない夜からでも、痛みを抱えて始められる——そう読むと、日常に寄り添ったラストになります。
MVが歌詞を補強する
公式MVは 擬態するメタ が監督。同チームは「ビビデバ」MVも手がけています。
画面は、PCの中で繰り広げられるバトルや、創作の世界と現実の境目がゆらぐ演出が印象的です(個人的な感想)。
歌詞の「極彩色」と、画面のギラギラした照明が重なり、かわいい包装の中の戦いが見える。
武道館ライブ "SuperNova" では、極彩色の照明と目のモチーフが印象的だった、とhololive公式のライブレポートにも触れられています。
音だけで聴く「内面の痛み」が、ライブでは視覚の革命として爆発する——そんな対比も面白いです。
まずは公式MVから入るのがおすすめです。
関連曲と並べて聴くと
個人的に、次の曲と並べると立体的に見えます。
| 曲 | 並べると見えるもの |
|---|---|
| ビビデバ | 外に向けた「自分で掴む」革命 |
| AWAKE | 2次元と3次元の壁を越える宣言 |
| 綺麗事 | すいちゃん自身が書いた、理想と現実のズレ |
| みちづれ | 痛みを抱えて歩く別の角度 |
『新星目録』は、華やかな曲ばかりじゃなく、影のある曲もちゃんと収めたアルバムだと思う。「Caramel Pain」はその影の中心に近い一曲です。
FAQ(よくある質問)
Q1. 「Caramel Pain」はどのアルバム?
A. 3rdアルバム『新星目録』(2025年1月22日発売)の5曲目です。
Q2. 作詞・作曲は誰?
A. Deu(PEOPLE 1)が作詞・作曲、Hajime Taguchiさんが共に編曲です(公式MV・歌詞サイト表記)。
Q3. MVはいつ公開?
A. 2025年3月22日です(公式YouTube)。
Q4. 武道館ライブでは何曲目?
A. hololive公式のライブレポートでは、中盤の M8「Caramel Pain」 として紹介されています。
Q5. 「キャラメルペイン」は病気のこと?
A. 歌詞上は「甘さと痛みが同居する日々」の比喩として使われている印象です。
医学的な病名を指す、と公式で説明されているわけではありません(個人の読み方の範囲で)。
Q6. ビビデバのMVと関係ある?
A. どちらも監督が 擬態するメタ です。すいちゃん本人もSNSで「また擬態するメタさんに制作をお願いした」と投稿しています。世界観のつながりを感じる人も多いと思います。
まとめ
「Caramel Pain」は、甘いタイトルの裏に 毎日の痛み と 変わる覚悟 を隠した曲です。
改めて聴くときに意識してみてほしいポイントを3つだけ。
- 🎧 「あーあ今日もキャラメルペインです」 ── 特別な悲劇じゃなく、続くしんどさ
- 🎧 「置いてくよ」 ── 古い自分の型を手放す革命
- 🎧 「あたしに恋してたい」 ── 前を向くための、自分への愛
考察はあくまで一人の感想です。
今夜はヘッドホンで公式MVをもう1回。甘さのあとに残る苦さが、少しだけ意味を持って聴こえるかもしれません。